人形の家 人形から人へ

イプセンの人形の家。
私は台本のような小説を初めて読みました。

主人公の家以外の場景はないのに、登場人物のセリフの掛け合いで家の外で起こったことまでわかります。ページ数も少なく、とても読みやすい作品でした。

人形の家はノラという女性が主人公の物語です。
彼女は良き妻であり、絵に書いたような”幸せな家庭”を築いていました。
しかし彼女にはたった一つの秘密があります。
それは愛する人の為に背負うことになった罪なのですが、この秘密が彼女に真実を見せるのです。
百年の恋も冷めるとはこういうことを言うのではないかと思いました。

世間で言うところの幸せがノラ自身の幸せとは限らない、この物語の最後が初めてノラが人生のスタートラインにたった瞬間なのかもしれません。

しかし賛否両論生まれそうなお話でした。




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