コンビニ人間 息のできる場所
この本はタイトルに惹かれた。私はコンビニが大好きだからだ。 酷い時は1日に2、3回別のコンビニへ赴く。 とくに買うものがあるわけでもないのにだ。 このコンビニでは一番くじがあるから、ここではお気に入りのお菓子があるからなど、さまざまな理由を付けてコンビニに行く。 そんな私がいつか読もうと思っていた「コンビニ人間」を読了した。 1日で読み終えることができるボリュームだった。 ”普通”ということが理解できなくて難儀に感じる。 主人公の古倉という女性は、そのことを常に悩み意識していた。 人と違うことを恐れているから、人に合わせて言葉遣いや服装を決めており、そうすることが楽だとさえ思っていた。 不特定多数の人間が訪れて定番の商品を取り揃えているコンビニに、”普通”が理解できなくて悩んでいる古倉が働くのが真逆のように思えて面白かった。 ”普通”がわからない彼女も”コンビニ店員”になることにより社会に溶け込むことができる。彼女にとってコンビニは拠り所のような場所だった。 息苦しい世間から、彼女が息をできる場所を見つけた瞬間がイメージできて読みやすかった。